人生は沼だらけ

20代オタク女子のひとりごと/フィギュアスケート、昭和アイドル、Kinki Kids、ミュージカルなど

光一くんと私

たしかに、KinKi Kidsを好きになった直接のきっかけは、ギラ☆ギラの剛くんの歌声だった。

でも、だからといって彼のことが好きじゃない、というわけでは決してなかった。むしろ好きだったし、彼がいなかったらKinKiを好きにならなかったと思う。

ただ、勝手に「自分のような人間とは違う」「遠い存在」と思っていた。

今日は、そんな彼の話をしてみようと思う。



ずっと前から、彼のことは「毒舌王子」という印象だった。

容姿端麗で、歌も上手で、踊りも上手い。それなのに1万円のTシャツに対して「布だぜ?」って言ったり、ファンに向かって「見てませんから!」って言ったりする。また、グループ活動の他に毎年主演のミュージカル「Endless SHOCK」をやっていて、階段落ちをしている。

KinKi Kidsにハマる前の、私の彼に対する印象はそんなものだった。


以前このブログでお話しているが、私がKinKi Kidsに興味を持った一曲が「ボクの背中には羽根がある」だ。昭和のアイドルが好きな私にとって、作詞:松本隆、作曲:織田哲郎のクレジットはあまりに強烈だった。それに、この曲が持つエキゾチックな雰囲気が以前から好きだった。

私はこの曲を聞きたいと思い、ベストアルバムを借りて聞いた。そして、ネットにあったある一つの感想が印象に残った。詳しくは避けるが、その感想は「彼の粘っこい歌い方も好きなんだよな」というものだった。

…たしかに剛くんの声も素敵だけど、彼の声も魅力的だなぁ。どこか力強くて、哀愁を帯びていて…。

そんなことを思いながら、私はボク羽根を聴いていた。それから彼らの音楽に興味を持って、ギラ☆ギラでどハマりし、今に至るわけだが…。


私にとって、彼はどこか「遠い存在」だった。いや、勝手に「遠い存在」にしていたというほうが正しい。


「自分から仕事を取ったら何も残らない」という言葉からも分かる、根っからの仕事人気質。そして、Show must go onを地で行くショーマンっぷり。変わらない、いやむしろ進化してきたパフォーマンスと、衰えることを知らないルックスから分かる努力…。怠け者で不真面目な私には、彼は少し眩しすぎた。

彼を見れば見るほど、自分の悪いところが浮き上がって見えてくるようで、私は心のどこかで彼を遠くから眺めるだけになっていた。彼を見ることで私が傷つくのが怖かったのだ。私は勝手に判断して、彼を遠ざけてしまった。

そして偶然にも、捻くれていた私の心を先に救ってくれたのが、剛くんの言葉だった。私は剛くんにどハマりし、のめり込んでいってしまった。これはたまたま私の心に先に響いたのが剛くんだったというだけで、タイミングなどが違っていたら、彼に先にどハマりしていたかもしれない。人生は分からないものだ。


きっと私の、彼に対しての畏敬の念の形が、ねじ曲がってしまったのだろう。確かに彼のことは好きだし、彼と剛くんが形作るKinKi Kidsが大好きだ。でも、あまりに大きく、そして拗れてしまった彼への「畏敬の念」が、彼を自分から遠ざけてしまっていた。

とっても好きだけど、どこか私とは違う遠い遠い存在。つい最近まで、私にとって彼はそういう人だった。


なんだかんだありつつも、私は彼のことが好きなので、トニー賞の番組も見たりしていた。KinKi Kidsも大好きなので音楽番組もブンブブーンも見ていた。そんなふうに日々が過ぎていったときだった。


私のKinKi活動には、母の友人という恩人がいる。20年来のKinKiファンで、今までアルバム・コンサートDVDを何度も貸してもらっている。

ある日、私はその方から借りたいわゆる「オケコン」のコンサートDVDを見ていた。やはり剛くんは突発性難聴の影響が強そうで、でも歌声は変わらず美しくて…。またこの場に立つことを選んでくれた剛くんにただただ感謝しながら見ていた。

ふと、彼の方にも目を向けた。


目を、奪われた。
懸命に歌う彼の顔は、笑顔で、またくしゃっとなっていて。彼は、彼の特徴でもある、太く力強く、そしてどこか優しさを感じさせる声を懸命に響かせていて。その声もまた素晴らしくて。

もしかしたら、力を込めて歌うと顔がくしゃっとなるのかもしれない。それがまた笑顔に見えるのかもしれない。けれど、その表情がたまらなく魅力的だった。


…この人も、私と同じ人間なのだと、痛感した。


パフォーマンスには、その人の人生が見えると私は思っている。
この日惹かれた彼のパフォーマンスには、確かに彼の人生が見えた気がした。時には二人で、時には一人で、また時には舞台のカンパニーとともに、目の前のことを全力でこなし、駆け抜けてきた人生が。

きっと彼も普通の人間だったのだ。もちろん生まれ持ったルックスも才能もあっただろう。でもそれだけでは残れない世界だ。だからこそ彼は努力を重ねて、重ねて、自身のパフォーマンスを磨いてきたのだろう。
 
また、個人的な感覚だが、この時は、剛くんの分も…!という思いもあったように感じた。剛くんを支えようと、またKinKiとして魅せようと、とにかく一生懸命、磨いてきた最高のパフォーマンスを見せようとしていたように感じた。

そして私は、彼のそんな姿を見て…。


懸命に歌ってくれてるなぁ。
いい声だなぁ。
ハーモニーも素敵だなあ。


ああ、私はこの人が大好きだなぁ。


心の底から、そう思った。
彼の一生懸命な姿が、何よりも素敵だと思った。
ステージできらきらと輝きながら、全力でパフォーマンスする姿が堪らなくかっこよかった。



…このとき以来、私は今までより素直に、彼を応援し始めたように思う。
このあと見始めた、通称乙コンのDVDでの彼のパフォーマンスも、とってもかっこよくて素敵だった。

そして最近前髪が復活したと知り、初めて彼のおでこ・眉・前髪が作り出す空間が好きだったとも自覚した(笑)


もしかしたら自覚していなかっただけで、もとから彼のことがとっても好きだったのかもしれない。
ただ、拗らせてしまった私の気持ちが、それを気づかせなかったのかもしれない。

もう拗らせることはないように、私も彼のように努力して、日々の仕事を頑張りたいと思う。
そしてもっともっと、彼を追っていきたい。彼のパフォーマンスを目に焼き付けたい。そう思うのです。



堂本光一さん


今まで捻くれていてごめんなさい。正直じゃなくてごめんなさい。あなたのパフォーマンスが大好きです。努力を惜しまないところも大好きです。心の底から、貴方を尊敬しています。


これから今まで以上に全力で追いますので、覚悟していてくださいね?


ずっとずっと、大好きです!




2019.08.22