人生は沼だらけ

20代オタク女子のひとりごと/フィギュアスケート、昭和アイドル、Kinki Kids、ミュージカルなど

新年早々「太陽を盗んだ男」を見た話※ネタバレ含みます※

未だに冬休み感が抜けない。


こんにちは。美遊です。 こたつごと会社に行きたいです。


忘れないうちに、冬休みに見たとある映画の感想をあげようと思いまして…。


そのタイトルは…「太陽を盗んだ男


主演は沢田研二…ジュリーと菅原文太さんです。(これ、OPとEDでクレジット入れ替わってるんですよね。というわけで主演お二人ということで)


ジュリーにハマって一年以上経った2019年1月4日、ついに見ましたよ。ええ。


あらすじや概要は、アマゾンのページ貼っておくのでそちらをぜひご覧ください(こら)それではどうぞ。




太陽を盗んだ男 [DVD]

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※以下ネタバレ含みます。


まずこちら、ジュリーファンは見て損無いです。
ちょっとだけど歌うシーンもあるし、シャワーシーン(!)もあるし、アクションもあるし……。

シャワーシーンはちょっとびっくりしたけどね。うん、あれは凄い(?)サービスがすぎますよ!



さて、ジュリーが演じる中学の理科教師、城戸先生が、原爆を製造し、政府に脅迫する…みたいなお話なんですが…(違ってたらゴメンナサイ)

すごいですよね、その設定が。原爆作っちゃうって。
どういう雰囲気の作品なのかなーって思ったら…いや、予想以上にエンターテイメントでした。
原爆を手にしたことによって世の中を人質に取れるって、あり得ないじゃないですか。そして政府への要求が本当に幼稚←かつ「身近」なんですよね。何か凄い政治出張をするわけでもないし。

(よく考えたら、冒頭で、城戸先生が受け持つクラスのバス(遠足だった)がバスジャックに合うんですけど、その犯人は天皇に会うことを望んでいたんですよね。一方でそこまで大きな政治的主張を持たない城戸先生…ある意味対比なのかな?)例えばナイター中継を延長して全部放送してほしいとか、ローリング・ストーンズの公演日本でやってほしいとか。

身近だから、城戸先生に共感できるし、共感することで、ある意味で「政府を脅す」体験もできちゃう。こういう、「現実ではとうていあり得ない」体験ができるから、映画って魅力的なんだろうな。うん。


菅原文太さん演じる山下警部とジュリーの関係も魅力的ですよね。というのは決してBL的なことではなくて←

二人は冒頭で、バスジャック犯を捕まえるために共闘した仲なんですよね。その二人が後に敵対するという構図になるわけです。まあ城戸先生が交渉の相手に彼を指名してるんですけどね。相手は原爆の犯人が城戸先生とは分かっていないわけで。


やはり二人が最後、対峙した場面は良かったなと思います。


そしてその場面において、城戸先生が原爆作成の理由を語るとき、大きな政治的主張をしなかったのもとても好きでした。
きっとここでそういう主張を長々としてしまったら、台無しだっただろうなと思います。なんとなくですけどね。別に政治的な主張があるのはいいんですけど、この映画には合わなかったんじゃないかなーって思いますね。

端的だったから印象的だったし、城戸先生というキャラにしっくりきたのかなと思います。


そして、個人的に印象的だったのが、途中から一緒に見ていた母の一言。


「70年代の閉塞的な空気を思い出した」


この言葉を聞いて、城戸先生が原爆を作ろうとした理由の言葉も、より伝わってきました。


70年代の日本。私はもちろん生きていません。
ただ、その時代を生きた母が言うのだから、間違いないのでしょう。
そして、映画を見ていても、その空気感はなんとなくですが、感じました。

70年代は言わば新しい時代へ進む直前の、狭間というか。それまでの戦後という時代が成熟しきった時期だったのかなと(勝手に)思っています。そりゃ成熟の先は閉塞になりそうだなと。


少し話が逸れますが、ジュリーの数ある名曲のなかに「時の過ぎゆくままに」という曲があります。
個人的な感覚ですが、あの曲は「70年代」の空気が色濃く反映されている曲ではないかな、と思います。
曲もですが、ある種の退廃を思わせる歌詞……時代を描こうとし、また描ききった阿久悠さんの力かなとも思います。

個人の心や思いにフォーカスする曲も好きですが、その個人の心を象る要因のひとつであろう「時代」を反映する曲が、もっと増えたらいいなーと思いました。
ある意味、音楽が過去にアクセスできる手段になるわけですから。

私は個人の心を描く曲も、そこに時代を落とし込む曲も、どちらも大好きです😊❤



今って、どういう時代なんでしょうね。将来この時代を振り返ったとき、「あのときはよかったよね」って言えたら、最高だなって思いますね。



いろいろと思ったことをてっきとーに語りましたが、私はとにかく!この映画が大好きです!
ジュリーの演技力もいいし、菅原文太さんの演技も渋くてかっこいいし、なによりもエンターテイメント!!70年代という時代を感じることができたのも、良かったなーと思います。


もしかしたら、監督の意図はもっと政治的かもしれません。私自身、映画も多く見たことが無いので、伏線に気がつけてないかもしれません()

そして、私自身政治的な映画が嫌いというわけではありません。


ただただ、原爆というモチーフがあるにも関わらず、この作品を絶妙に破天荒なエンターテイメント作品に作り上げた制作陣俳優陣に、感動するばかりです。



ジュリーにハマって、まだ見たことが無い人はぜひ!見てほしいですし、ジュリーにハマってない方にも心からおすすめしたい…そんな映画です。



また何か思いついたら加筆するかもしれません?



ああ、久々に面白い映画を見れて幸せでした。時間が経つのが、あっという間でした。






2019.01.18 美遊